アンダーサイカ
配達員さんは次の仕事のために、薬屋を後にした。
残された私と塩の木箱たちを待つのは、ヨシヤただ一人。
「さあ、さっさと始めてしまいましょうか。
とても今日中に全部は終わらないでしょうが、完成したものから徐々に配達してもらえばすぐに行き渡るでしょう。」
パンパン。手を叩き、ヨシヤは前もって段ボール箱に用意していた包装セットを取り出す。
ハサミに紐に小さな空き箱。塩が大量ならこっちも多量だ。
…けれど私は、
「……………。」
彼の顔をじっと睨んだまま、その場から動かなかった。
すぐ理由を察したヨシヤは笑顔で言う。
「豊花ちゃんにはバレちゃってるみたいですね。
僕が、本当は商売人達を助けたいなんて思っていないこと。」
「……………。」
それだけじゃない。
それだけじゃ…。