アンダーサイカ
通路の暗闇の中へ消えていくキョウくんの姿を見送ってから、
私はヨシヤに顔を向ける。
「……………。」
ヨシヤはまだ顔を赤くしてた。
嬉しそうな、でもバツが悪そうな変な笑顔で。
「………。ヨシヤ、大丈夫?」
「…………え、ええ…。
……うぅぅ…!」
大丈夫って答えておきながら、ヨシヤは何だか切なげな声を上げ、顔を手で覆い隠してしまった。
柄にもなく取り乱してるようだ。乱れるのを気にせず、髪の毛をわしわしと掴んでる。
指の隙間から見える瞳は熱っぽく潤んでいて、それに見据えられた時、…私はまた悪寒を感じた。
「…ど、どうかしたの?」
「………豊花ちゃん…。」
「うん?」