アンダーサイカ
ぱちん、ぱちん
きゅっ、きゅっ
「ヨシヤ、できたものは段ボールに詰めてっていいの?」
「はい。お願いします。」
塩を柔らかい和紙に包んで紐で縛り、紙の小箱に入れる。
単純作業だけど、これをアンダーサイカ中のお店の数だけ作らなくちゃいけない。
終わりの見えない作業に、私は早くも疲れ始めていた。
ヨシヤは塩と粉の薬を混ぜる作業中。
「熟練者でもなかなか難しい」とは言ってたけど、塩と薬を混ぜる人自体そうそう見かけないよね。
流れるような手際の良さ。
その姿からはもう、さっきまで私に抱き着いて小さくなってた面影なんて微塵も無くなっていた。
「……………。」
あの後、私たちはこうして何事もなかったように作業を始めた。
ヨシヤの号令を合図に。