アンダーサイカ






「潤子ちゃんと拓哉くんって友達がいてね、いつも三人で遊んでるんだ!
潤ちゃんはしっかり者なんだけど気難しくて、拓くんは反対に怠けてばっかり。」


「へぇ、個性的なお友達なんですね。
それじゃあ最初にアンダーサイカ探険に来た時に離れ離れになった友達って、その子達のことだったんですか?」


「うん、そう!
ビックリしたよ。次の日の朝電話しても二人とも何も覚えてなくって…。」


「あぁ、それは不思議に思いますよね。
この世界は特殊ですから。
アンダーサイカに深い関わりの無い人間は自然と記憶を失ってしまうんですよ。
日常生活に支障をきたさないよう、都合の良いように書き換えてね。

まるでアンダーサイカに意思があって、地上人から身を守っているようです。」


「ふぅん…。つくづくアンダーサイカって変な所だね。」


「ええ、本当に。」


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