アンダーサイカ
両親よりも先に死ぬこと。
それは子供の犯す、最悪の親不孝とされた。
「…ここはどこなの?
ぼく、お母さんのところに帰りたいよ…。」
周囲に民家も建物も何も無い、見知らぬ河原で、少年は途方に暮れていた。
着ているのは身に覚えのない白装束。
辺りには、老若様々な男女が座っていて、皆一様に、
「…もう少し…!」
「あと、少しで…!!」
河原の石をひたすら積み上げていた。
何をもって完成なのかも分からない。
しかし高く高く積み上がった石。
男が、また新しい石を重ねようとした時だ。
【…マダダ、ヤリ直セ。】
突然現れた大きな恐ろしい鬼によって、積み上がっていた石の山は、呆気なく蹴り崩されてしまった。