アンダーサイカ


それは、少年と歳の変わらない少女だった。

同じ白装束を着て、不安げに少年を見つめている…。



「…河原の石を積んで、石碑を建てるの。
終わらないと、いつまでも賽の河原から出られないよ。」


「…さいのかわら…?」


この不気味な河原の名らしい。
恐ろしい鬼がうろつき、人々を監視する奇妙な場所の。



少年にそれだけを告げると、少女はふらふらと自分の石碑のもとに戻っていく。

少女の背丈ほど積み上げられた石碑。そこに、新しい石を積もうと手を伸ばした時だった。



「ヒッ………!!」


少女は小さく悲鳴を上げる。

いつの間にか、すぐ背後に鬼が立っていたのだ。


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