アンダーサイカ



「っっ!!!」


声にならない悲鳴を上げ、石碑の残骸と共に、少女はその場に崩れ落ちる。



次の人間のもとへ歩き去っていった鬼を見送ってから、

「………ね、ねえ…?」


少年は、少女に声をかけた。



「……大丈夫……?」


「……………。」



少女は答えない。


代わりに、河原の石をひとつ手に取り、また一から石碑を建て始めた。



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