アンダーサイカ



「……稔兄ちゃん、何があったの…?
なんでお母さんたちは稔兄ちゃんの素顔を隠したりなんか…。

…それに、どうして稔兄ちゃんは自殺なんかしたの?」


「……………。」


稔兄ちゃんは答えにくそうだった。
やっぱり打ち明けづらいことなんだ…。




「……豊花。今、薬屋は?」


「え?」


ふいに稔兄ちゃんの口からヨシヤの話題が出た。

そっか、「友達だ」ってヨシヤ言ってた。


私は首を後ろに向ける。
ここからじゃお店の入り口は角度的に見えないけど、たぶんまだヨシヤは戻って来ないだろう。


「ヨシヤはね、さっきの警鐘の様子見に行ってるの。
稔兄ちゃん友達なんだよね?
私、呼んで来ようかっ!」


我ながら良い提案だと思った。
ヨシヤにも改めて紹介したい。私のお兄ちゃんだって。


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