アンダーサイカ
「吉沢、ボクの机が曲がってるよ。」
稔が少しだけ不機嫌そうにオレに言った。
見れば確かに、一番後ろの稔の机が、列からほんの少しずれている。
だがそんなの普通じゃないか?もっと歪んでる机なんてそこらじゅうにある…。
……なんて指摘を、オレができるはずなかった。
「…あ、あぁ。悪い、稔…。」
何も関係ないのに、慌てて稔の机を周りにピッタリと合わせる。
すると稔はやっと笑顔になって、
「ポイント追加しとくから。」
それだけを告げた。