アンダーサイカ




「……豊花ちゃんっ!!!!」




その叫び声とともに、真っ白な粉が私の視界を覆った。


「っ!?」


時々混じった黒い粉。
それはどうやら、私とヨシヤで作った魔除けのお塩。

塩は稔兄ちゃんの振り下ろされた腕に降り懸かり、


「ッ、ぎ、ああ、ぁぁああぁぁ…!!」


それが黒い皮膚に触れたとたん、稔兄ちゃんは絶叫してその場から後ずさった。



絞められていた首を急に離されたせいで、床に投げ出される私。


「…っ、ゲホッ、ゲホッ…!!」


「豊花ちゃん…!!
大事ありませんか…!?」



咳込む私をすかさず彼が支えてくれた。



そう、ヨシヤだ。



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