アンダーサイカ


青白い顔を更に青くして。内心そうとう動揺しているだろうに、顔は相変わらずの張り付いた笑顔で、


「…ヨ、シヤ……。」


「…豊花ちゃん…!

…あぁ、豊花ちゃん…っ、良かった…!!」



そんな彼に、強く強く抱きしめられた。
今度は力を込めているから少し苦しい。



私は状況がまだ飲み込めず唖然とするばかり。

するとヨシヤの肩越しに、キョウくんや他の警備員さんたちが突入してくるのが見えた。



「ッ、これは…!!」



キョウくんたちは一様にして驚いてる。

私たちじゃなく、


「グ、うぅぅう…ぐっ…!!」


…苦しむ稔兄ちゃんの“姿”を見て。


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