アンダーサイカ
「…ミノルくん。
僕は今でも、きみを尊敬しています。
幼い身でありながら地上人(ひと)を殺し、食べることを臆さなかった。
…それは残酷なことのようですが、賽の河原の永劫の苦痛を考えると、とても勇敢な行為です。
…50年間アンダーサイカに幽閉されている僕ですら、怖くてできなかったのに。」
悲しげな顔が私に向けられる。
それはもちろん、ヨシヤが食べようと計画した地上人が私だから。
でも結果的に、ヨシヤは今この時まで私を食べることはなかった。チャンスなんていくらでもあったのに。
その真の理由は、ヨシヤのどこか熱っぽくなっていく瞳の奥に秘められているんだろう。
―――心が…覗けたらいいのに。