アンダーサイカ
「…ふふ、バラされちゃいました…。
お客様は意地悪ですね。黙っていたほうがカッコ良かったのに…。
不思議なことに今回だけは警鐘が鳴らなかったので、良い機会(チャンス)だと思ったのに…。」
「あっ………。」
ヨシヤの体にオバケの爪が食い込む。
生き物じゃないことを示すように、傷口からは稔兄ちゃんやオバケたちと同じ…黒い血が流れ出た。
「…ひょっとしてアンダーサイカが、僕の最後の願いを聞き届けてくれたのかもしれませんね……。」
『まるでアンダーサイカに意思があるように…』
ヨシヤは痛みを感じていないのか、感じた上でそんな顔ができるのか…、
穏やかな笑顔を、私に向けた。