アンダーサイカ
「…ユタカッ、薬屋…!!
待っていろ、すぐに…っ!」
キョウくんが焦りを隠せず叫ぶ。
同時に銃剣を構え、沼から助け出すべく私たちのほうへ駆け寄ってきた。
「来てはいけませんッ!!!」
でも、更に大きなヨシヤの一喝が飛ぶ。
キョウくんの足が止まった。
「貴方はこの世界を取り締まる警備員でしょう!!
お客様に逆らって“罪人”を救うなど、あってはならないことです!!
今の僕と同じ目に遭いたいんですかッ!?」
「……っ!!」
キョウくんの顔に戸惑いの色が浮かんだ。
警備員としてルールを犯してはならないという使命感と、私たちを助けたいという正義感との葛藤…。
その葛藤が、キョウくんの足を止めていた。