アンダーサイカ


「…ユタカッ、薬屋…!!
待っていろ、すぐに…っ!」


キョウくんが焦りを隠せず叫ぶ。

同時に銃剣を構え、沼から助け出すべく私たちのほうへ駆け寄ってきた。



「来てはいけませんッ!!!」



でも、更に大きなヨシヤの一喝が飛ぶ。

キョウくんの足が止まった。



「貴方はこの世界を取り締まる警備員でしょう!!

お客様に逆らって“罪人”を救うなど、あってはならないことです!!
今の僕と同じ目に遭いたいんですかッ!?」


「……っ!!」


キョウくんの顔に戸惑いの色が浮かんだ。

警備員としてルールを犯してはならないという使命感と、私たちを助けたいという正義感との葛藤…。
その葛藤が、キョウくんの足を止めていた。


< 428 / 506 >

この作品をシェア

pagetop