アンダーサイカ
私が薬を飲み込んだことを確認すると、ヨシヤはゆっくり唇を離した。
「…豊花ちゃん。嬉しいです……僕も、きみが大好きですよ。
きみに触れるたび、きみを知るたびに、どんどん愛しくなっていました。
好きで、好きでたまらない…。それこそ、食べてしまいたいくらいに…。」
―――だめ…。
「………大好きだから、僕はきみを死なせたくないんです。
薬を飲んでくれましたね。…これでもう安全です。
…僕が消滅すれば、きみがアンダーサイカへ喚び寄せられることはなくなりますから。」
―――だめ…っ!!
「ヨシヤ……!!」
握り合う手が、霞んで見えた。
その目眩は、地上へ返還される兆候。
ヨシヤと離れ離れになる…寸前だ。