アンダーサイカ


たちまちその場は笑顔と笑い声に包まれた。


「ねえ、豊花は将来何になりたいのよ?」

「えー、なんだろう。
お店屋さんは何でも楽しそうだよね!」

「おれは絶対、特撮ヒーロー!」

「拓哉ったら陳腐ねぇ。」

「…ち、チンプとか言うなよな!大事な夢だ!」


「あはははっ…――。」



将来の夢…。ケーキ屋さんとかお花屋さんとか、素敵なものはたくさんだ。

あれになりたい、これになりたい。その後の私たちの話題は、将来の夢一色に変わり、
結局見かねた司書さんに「もう少し静かにね」と注意されるまで楽しいお喋りは続いた…――。



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