アンダーサイカ
グループ研究のテーマが“皆の将来の夢調査”に決まっただけでも、今日の大きな収穫だ。
…私にはその前の、潤ちゃんと拓くんとの友情を再確認できたことが何よりの…大切な経験だったけど。
ノートにまずは私たち三人の将来の夢を書いてから、この日は解散することになった。
夏の夕方の、まだ辺りが明るい時間帯だ。
「じゃあ、ノルマね!
あたしと拓哉で、クラスメートの将来の夢を電話で聞くから、豊花は発表の構成を考えといて!しばらくは集まりは無しだから!
じゃあ、解散!」
潤ちゃんのよくとおる号令に従い、私たちは各々の帰路につく…
…のだけど、私はいつまでも、反対方向へ帰っていく潤ちゃんと拓くんに大きく手を振っていた。