アンダーサイカ



「…ようこそ。
ずうっと待っていたよ、不思議な地上の子…。」



不変かに思われた暗闇トンネルに、変化があった。


明かりが点いたんだ。



「……っ!!」


思わず目を覆う。
その間際に見えたのは、トンネルの両側の壁に等間隔で並べられた、ブリキのカンテラ。

さっきまでの暗闇から一変して、辺りはカンテラの放つ淡いオレンジ色の光に包まれた。


「………うっ…。」


光が目に染みるけど、
そんなことよりも、今しがた聞こえた“声”のほうが気になる。



「……誰?」


そろりそろりと覆っていた手をどける。



声の聞こえたトンネルの向こうに目をやると…、


そこには見たことのない“黒い人”がいた。



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