アンダーサイカ
トンネル内に私の声が反響した。いつまでも。
まるで私自身に言い聞かせているよう。
でも、後悔なんかない。
「…等価交換か…。
君はどうやら嘘や偽善などでなく…本当に彼らが好きなんだね。」
槐は嬉しそうに微笑んだ。
今までは妖しい雰囲気を醸し出していたのにこの時ばかりは、とても“人間らしい”顔をしていた。
「…………え……?」
私は気づく。その笑みに、懐かしみと憧れが込められていること。
「本当に不思議な子だ、君は。
吾が商売人達のためでなく、自分の興味で地上人を招き入れたのは初めてだったよ…。
……君なら、この不毛な世界に終止符を打ってくれるかもしれないな。」