アンダーサイカ
なんで私が…って思ったけど、その言葉のおかげてオバケの視線から逃れることができた。
言われるままに後ろの台に回り込み、袋を探す。
普通お店の袋といったらビニール袋だけど、そこにはきちんと畳まれた茶色の紙袋の束しか無い。
「これかな………。」
“特大、大、中、小、最小”とサイズ分けされてるうちの、“小”を手に取った。
ちらっと二人に目を向ければ、
…あ、一本だったうがい薬の瓶がなんか増えてる…!!
「いがらっぽさが無くなってきたらこちらをお使いください。炎症が治りますからね。」
【…………。】
「その後にこちらを使えば、新しい炎症を防いでくれますからね。
あ、ではそれぞれ三本ずつ予備を入れておきましょうか。」
端から見てても分かるほど、ヨシヤはお客様に対して尽くしすぎていた。
敬意があるのか無いのかは知らない。
ただそのゴリ押しっぷりに、オバケが若干たじろいでいるのは分かった。