アンダーサイカ


「はい、では24本のお買い上げですね。ありがとうございます。」


ヨシヤのゴリ押しという名の交渉が済んだ時、オバケは小さな両手に抱えきれない瓶を持たされていた。

足元もおぼつかない。
ちょっと気の毒になって、私は台の裏から“大”の紙袋を引っ張り出して、オバケの傍に寄っていく。



「…ほら、これ使いなよ。」


紙袋を開いて、瓶を入れるよう促しただけ。
…でも、オバケは心なしか驚いてるみたいだ。ふたつの目玉が私を凝視したまま動かない。


それはヨシヤも同じだった。

顔は相変わらず笑ってるけど、言葉を失ってるらしい。



二人ぶんの視線を受けるのはあんまり気持ち良いもんじゃないなぁ…。



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