アンダーサイカ
「本来ならば出会うはずがない。しかし僕ときみはこうして出会った。
これも縁です。僕がアンダーサイカから逃げるために協力していただきますよ。
きみを食べるのは、その最後の手段です…。」
ヨシヤの瞳には、野心がありありと浮かんでいた。
逃げること…。
それは消極的な問題のはずなのに、ヨシヤはむしろその先にある場所に行きたくて仕方ないように見える。
「…ヨシヤはここに閉じ込められてるの?
ここから、出られないの?」
私の感じた見えない鎖は、
「…ええ。
身動きもできないのですよ。」
確かに存在していた。