アンダーサイカ
協力すると約束した。
“悪くない”ヨシヤのためにちょっと手助けしてやろうと思って。
でもそれには、封鎖された駅という障害を乗り越えなきゃいけないことを、私はすっかり忘れてた。
フェンスを破って侵入するなんて“悪いこと”はできない。したくない。
なら、もうどうすることもできないじゃない。
高くそびえた強固なフェンスの金網に、そっと指をかけた。
かしゃ…と微かな音が鳴る。
「……ごめん…。」
約束破って。
私は…“悪い子”だ。