love*sorrow
1*
9月
窓際の一番後ろの席
太陽が容赦なく照りつけ、
まだ夏が終わらないことを告げていた。
しかし、
私の夏は終わったのだ。
ふと、視線を巡らせると、
私の目に飛び込んでくる彼、
昨日までは、
いとしくていとしくて、
温かかった存在。
細くて締った身体。
クリっとした瞳。
笑うとのぞく白い歯、あどけない顔。
ふわふわの髪。
私、浅葱美玖(アサギミク)と
彼、久木翔太(クギショウタ)の夏は終り、
秋も来ない。
ぼんやりと感傷に浸っていると、翔太と目があった。