ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 男の子の隣で、顔を赤く染めて俯く少女。それが今の私なんだよね……って、有り得ないでしょ!?


 これは何かの間違いだ。こんなの、大塚彩花じゃなーい!


 と思ってみても、顔は火照ったままだし、心臓はバクバクいってるし、中野君に“付き合ってくれる?”と聞くのはめちゃくちゃ恥ずかしい。


 そして何より、中野君の返事を聞くのが恐い。これはどうしようもない事実だ。


 そうやってモジモジしていたら、大声で会話を交わす男子達の声が聞こえた。そして顔を上げたら、サッカーボールを小脇に挟んで歩く、小山君の姿を見付けた。


 小山君もすぐに私に気付いたらしく、白い歯を見せニッと笑うと、握りこぶしを作って小さくガッツポーズをしてくれた。


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