ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 中野君って、意外に逞しい体してる……


 彼の背中に回した手から、彼の胸に埋めた頬から、彼の固い筋肉を私は感じていた。同時に、男の子っぽい香も……


 やだ。涙が出て来ちゃった。涙って、嬉しい時も出るのね……


「ちょっと、大塚さん……?」


 彼の低い声が、その逞しい胸から直に私の中に伝わった。


「なあに?」


 うわ。私ったら、何て声出してるんだろう。

 まるで子猫が喉を鳴らしてるみたいな、甘ったるい声が出て自分でも驚いてしまった。


「離れてくれないかな?」


 はあ?


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