ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
「修平達がこっちを見てるし……」


 ああ、そういう事? そんなの、別にいいじゃない。中野君ったら、シャイなんだから……


 と思ったけど、ここは素直に言う事を聞いて、従順なところを見せなくちゃ。


 は? この私が従順ですって?

 有り得ないわ……。恋って、女の子を変えちゃうものなの?


 そんな一人ボケツッコミをしながら、私は中野君から体を離した。名残惜しかったけど。



「中野君……」


「ん?」


「私を好きになってくれて、ありがとう」


 私は上目遣いで彼を見つめ、しおらしい声でそう言った。もっとも、眼鏡のせいでたぶん上目遣いは不発だろうけども。


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