ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 怒りで唇が引き攣り、それに続く言葉が出ず、私は無言で中野和也を見下ろしていた。


 こ、この私に向かって、同情で付き合ってやるですって!?


 冗談じゃないわよ!


 例え見た目はブスになり下がっても、中身まで変えた覚えはないわ。人から同情されるなんて、私のプライドが許さないんだから!


「チッ。そんなに怒る事ねえだろ? 交渉決裂だな」


 中野和也は秀才らしく難しい言葉を言い、手摺りから腰を上げた。そして、「じゃあな」と言って私に背を向け歩いて行った。


 あ、中野君を怒らせちゃった……


 このままじゃ、終わりだわ。それでいいの、私?


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