ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
「ねえ……」


「ん?」


 教室に向かって歩きながら、私は並んで歩く中野君に話し掛けた。頭一つ弱私より背が高い彼を、少し見上げるようにして、情報を得るために。


 どんな情報かというと、私の何が不足で彼が好きになってくれないのか。それを探るための情報だ。

 もちろん、ズバリどうすれば好きになってもらえるのかが分かれば、ベストだけど。


「もっと高木千尋に似ないとダメなの?」


「え? それはまあ、ある意味そうかな」


「やっぱりそうか……」


 やっぱり、ホクロだかソバカスだか知らないけど、顔に黒い点々を書こうっと。


 あ、スカートを長くしなくっちゃ。あとは何かなあ……


「それはやめとけ」


「え?」


< 131 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop