ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 昼休み。廊下に出る時に私はわざと中野和也の横を通ることにした。彼は、購買で買ったらしいパンを頬張りながら本を読んでいた。


 彼の横で立ち止まり、彼を見下ろしていたら、彼も私に気付いたらしく、ゆっくりと顔を上げた。


 間近で見る中野和也の顔は、遠目で見るよりも更に綺麗に見える。


 長くも短くもないナチュラルな髪の毛はサラサラした感じでオデコに掛かり、その下の私を見上げる目は少し切れ長の一重で、瞳は澄んでいるけどちょっと冷たい感じを受ける。


 色白で、鼻筋は真っ直ぐ。唇は薄い方。頬から顎にかけての輪郭はシャープで、顎はとがりぎみ。


 そんな私好みの顔をした中野和也から至近距離で見つめられ、私は不覚にも胸がドキドキし、背中がゾクゾクしてしまった。


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