ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
「いい事って、どんな事?」


「え? うん、中野君に接近できた……」


 私は昨日の中野君とのやり取りを思い出し、つい顔がポーっと熱くなってしまった。


「まあ、赤い顔しちゃって……。彩花ったら、その子がよほど好きなのね?」


「え、そ、そうかなあ」



 食卓では沙織が黙々と朝ご飯を食べていた。いつものように無言で私も椅子に座ると、


「お姉ちゃん、おはよう」


 と沙織に言われた。珍しい事もあるものだなと思いながら、


「おはよう」


 と私も挨拶を返した。


「眼鏡は掛けないの?」


「家を出たら掛ける」


「ふーん」


 そう言って、沙織はしげしげと私の顔を覗き込んだ。


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