ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 中野和也は、私を見上げたまま無言だった。彼は私に話し掛けたいはずだから、こうしてわざわざそのチャンスをあげてるのに……


 彼って、かなりシャイなんだろうな。


 仕方ない。私から話し掛けてあげようっと。


「中野君っていつもパンなの?」


「…………」


 あれ? 返事がない。それどころか、顔色すら変わらない。なんで?


 普通、私が男子に話し掛けると、みんな顔を赤くしたりヘラヘラ笑ったりするんだけどなあ。質問が悪かったのかしら。


「本はよく読むの?」


 質問を変えてみた。おまけにニッコリ微笑んでもみた。出血大サービスのつもりで。


 それなのに、中野和也の表情は変わらず、冷たい目で私を見ていた。そして、ようやく口を開いたと思ったら……


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