ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜

　そして昼休み。おあつらえ向きな事に、高木千尋の隣の男子はどこかへ行ったみたいで、席が空いていた。私はお弁当を持って、その席に移動して行った。


　怪訝な顔で私を見る高木千尋に構わず、「隣に座らせて？」と言って私はさっさとそこへ腰を降ろした。そして、


「ご飯、一緒に食べましょ？」


　と言って私はお母さんに作ってもらったお弁当の蓋を開けた。

　高木千尋は既にお弁当を食べ始めていて、本当は逃げ出したいのかもしれないけど、そうも行かない状況だった。実はそういうタイミングを見計らって私は隣に来たんだけどね。


　早々に私はお弁当を食べ始めたけど、高木千尋は私を意識してか、お箸が止まったままだった。


　高木千尋の誤解を解くのは、お昼を食べた後にしようと思ってたけど、急いだ方が良さそうだ。


「高木さん……ごめんね？」