ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 “今度こそ、さよならよ?”と心で言われたのはわかったけど、敢えて気付かない振りして、


「へえー、お母さんに頼まれたの? 高木さんは偉いなあ」


 とか言いながら、私はもう一度腕を絡め、高木さんを引っ張るようにしてスーパーの中へ入って行った。


 高木さんは私をジーッと見た後、フーッと息を吐きながら肩を落とした。何かを諦めた、あるいは負けを認めた、って感じで。


 そしてカートを引き寄せると、その上段に買い物カゴを乗せ、スクバからカラフルな紙を取り出し、スクバはカートの下段に乗せた。


 その一連の動作が、私にはひどく手馴れたものに映った。


 高木さんはスクバから出した紙を広げ、真剣な様子でそれに見入っていた。横からその紙を覗いたら、スーパーのチラシだった。


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