ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 しかもところどころ、赤ペンで丸く囲まれている。


「高木さん、それって……」


「すみませんが、買い物が済むまで私に話し掛けないでもらえますか?」


 高木さんに真剣な顔でそう言われ、私は「うん」と言うほかなかった。

 口を結んで高木さんの後ろを着いて行くと、彼女はチラシを片手に次々と品物をカゴに入れていった。野菜、お肉、豆腐、納豆、玉子、パン粉、砂糖、冷凍食品……あっ。


 高木さんも同時に「あっ」と言った。買い物カゴがいっぱいになってしまったのだ。


「ちょっと待って? すぐ持って来るから!」


 私は高木さんに声を掛けると、ダッシュで引き返してカートにカゴを乗せ、高木さんのところへ戻った。ハアハア息を切らしながら。


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