ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 数日後、今日も私は学校の帰りに高木さんの買い物に付き合っていた。今日は珍しく買い物が少なく、荷物は一袋で収まり、それを高木さんが手に提げてスーパーを出たところで、誰かの携帯が鳴った。


 私のは常にマナーモードにしているから、鳴っているのは私の携帯ではない。


「ちいちゃんの携帯じゃない?」


 私は高木さんの事を“ちいちゃん”と呼ぶようになっていた。ちなみにちいちゃんは私を“彩ちゃん”と呼んでいる。というか、無理やり呼ばせるようにした、が実際のところだけど。


「そうみたい」


「出なよ?」


 そう言ってちいちゃんの手から買い物袋を取ると、


「すみません」と言った。


「敬語は禁止でしょ!」


 すかさず私がそう言うと、「ごめん」と言ってちいちゃんは携帯を取り出した。


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