ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 結局は送ってもらう事になった。10分ほどの道のりだけど、また中野君と一緒に歩ける事が、正直嬉しかった。


「寒くないか?」


「ううん、大丈夫」


 それはほんと。最初は少し寒いと思ったけど、なぜか今は寒くない。それどころか、顔や体が火照った感じさえする。


 あ、しまった。今のは「うん、寒いわ」って言っとくべきだった……


「やっぱり寒い!」


 私はそう言い直し、中野君の腕に自分の腕を絡め、ピタッと体をすり寄せた。


「な、何だよ?」


「こうすると暖かいでしょ?」


「ま、まあな。でもおまえ、当たってるけどいいのか?」


「何が?」


「それはその……、なんていうか……、胸が」


「きゃっ」


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