ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
「ちょっと待って。やっぱりそんなはずない!」


 そうよ。ちいちゃんは中野君を見てため息ついたりしてたじゃない?

 今日だって、私が中野君を見て『彼に告るんでしょ』って聞いたら、『うん』って……


「あっ」


 中野君の横には、いつも修平がいた。それって、中野君が本当はちいちゃんを見てるのに、私を見てるって私や恵美が勘違いをした、あれの逆パターン!?


「なんだ? どうした?」


「ううん、なんでもない」


「俺はちいちゃんの気持ちに薄々気付いてたけど、ある日確信したよ。昼休みに彼女を中庭に呼び出し、“俺と付き合わないか?”って聞いた時、ちいちゃんはチラチラと見てたから、リフティングする修平を」


「リフティング……?」


「要するに玉蹴りさ」


「ああ……」


 ボールを蹴ってたのね。修平って、昔から昼休みはボール蹴りしてるんだ? よく飽きないなあ……


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