ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
「謝るって……、逆でしょ? 私があんな事したんだし、第一あんた、怒ってたじゃない?」


「確かに怒った。でも、おまえにじゃない。俺自身にだ。そしてその後、俺は自己嫌悪になった」


 どういう事? 中野君の言う意味がわからず、私は首を傾けた。


「おまえにあんな事させて、おまけに泣かせて、なんて俺は不甲斐ない男なんだろうって……」


「ねえ、何が言いたいのかよくわからないんだけど?」


「わからないか?」


「わからない」


「そうか。はっきり言わないとダメか。こういうの、苦手なんだよな……」


「言って?」


「わかった」


 そう言って私を見つめる中野君の顔は、ほんのり赤く染まっていた。たぶんそれは、西日のせいではないと思う。


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