ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
「だってたっちゃんは手を怪我したんだよ? 仕方ないじゃない……」
私は、横に座った和也にピタっとくっつきながらそう言った。
たっちゃんは愉快そうに、ニヤニヤ笑っている。
「それはそうだけどさ、こいつに何かされなかったか?」
「何もされてないわよ……。それより和也、お兄さんの事、“こいつ”とか言うのはどうかと思うわよ?」
私は内心ドキッとしたけど、たっちゃんから乱暴すぎるテストを受けた、なんて言えるはずもなく、喧嘩になっちゃうからね、話を逸らす意味もあって、和也の言葉使いを注意した。
たっちゃんには大いに問題があったけど、根本的には弟思いのお兄さんではあるのだから、出来れば仲良くなってほしい、という気持ちもあった。
「それはまあ、確かに……」
「彩花ちゃん、よく言ってくれたね?」
「なんかおまえ達、ずいぶん仲がよくなってないか? なんか嫌だなあ」
「ヤキモチ妬かないで? 私達、信じ合うって約束したでしょ?」
「そうだけど……」
「和也。彩花ちゃんは大丈夫だ。おまえ一筋。俺が保障する」
「兄貴にそんな事言われたの、初めてだ」
「俺も言ったのは初めてだ」
そう言って二人は笑い合った。その笑いは、何もわだかまりのない、ごく自然なものに、私には見えた。
ちなみに和也のお母さんは、お父さんと同じく、温厚で優しい人だった。
和也との初エッチは……またしても時間切れで未遂。残念だけど。
(『後日談 中野家訪問の巻』おしまい)
ここまでのお付き合い、ありがとうございました。
しつこくももうひとつ後日談を書きました。
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秋風月
私は、横に座った和也にピタっとくっつきながらそう言った。
たっちゃんは愉快そうに、ニヤニヤ笑っている。
「それはそうだけどさ、こいつに何かされなかったか?」
「何もされてないわよ……。それより和也、お兄さんの事、“こいつ”とか言うのはどうかと思うわよ?」
私は内心ドキッとしたけど、たっちゃんから乱暴すぎるテストを受けた、なんて言えるはずもなく、喧嘩になっちゃうからね、話を逸らす意味もあって、和也の言葉使いを注意した。
たっちゃんには大いに問題があったけど、根本的には弟思いのお兄さんではあるのだから、出来れば仲良くなってほしい、という気持ちもあった。
「それはまあ、確かに……」
「彩花ちゃん、よく言ってくれたね?」
「なんかおまえ達、ずいぶん仲がよくなってないか? なんか嫌だなあ」
「ヤキモチ妬かないで? 私達、信じ合うって約束したでしょ?」
「そうだけど……」
「和也。彩花ちゃんは大丈夫だ。おまえ一筋。俺が保障する」
「兄貴にそんな事言われたの、初めてだ」
「俺も言ったのは初めてだ」
そう言って二人は笑い合った。その笑いは、何もわだかまりのない、ごく自然なものに、私には見えた。
ちなみに和也のお母さんは、お父さんと同じく、温厚で優しい人だった。
和也との初エッチは……またしても時間切れで未遂。残念だけど。
(『後日談 中野家訪問の巻』おしまい)
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