ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜

カップルの危機

 時は放課後。場所は学校の体育館の裏。


 中で部活中の、生徒達の掛け声が僅かに聞こえる以外、殆ど音もなく辺りはシーンと静まり返っている。


 ここは一日中日陰になるため、梅雨でもないのにジメジメして、コケの臭いが鼻につく。そしてここは、学校の裏の部分でもある。品行方正とは言い難い生徒達が時折来ては、人目をはばかる行為をする場所。喫煙やら、虐めやら、男女の不純行為などなど。


 そんな、ある意味危険とも言える場所で、私は壁を背にして立っていた。そして私は、目の前に立つ長身な男子を、上目遣いで見上げて言った。


「修平……キスして?」と。


 緊張しているらしく、いつになく修平は真面目な顔をしている。そして戸惑いがちに、


「ほんとにいいの、彩花ちゃん……?」


 と言った。


 私がコクリと頷くと、修平は少し顔を傾け、その顔をゆっくり私に近付けて来た……


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