ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 次にトイレから出て来た女子は、今度こそちいちゃんだった。


 ちいちゃんは、私に気付くと慌てて下を向いた。それは多分、赤くなった目を私に見られたくなかったからだろう。といっても、しっかり見ちゃったけどね。


 ちいちゃんは、俯いたまま、何も言わずに教室に戻ろうとした。


 どうもちいちゃんの様子がおかしい。悩み事か何かがあるみたいだけど、親友の私を頼らないばかりか、むしろ私を避けてるような気がする。


「待って。どうしたの、ちいちゃん?」


 私は、行こうとするちいちゃんの腕を掴んだ。


「どうもしないです」


 ちいちゃんはそう言ったけど、とてもそんな風には思えなかった。

 敬語に戻ってるし、私の顔を見ようともしないし。


 私、ちいちゃんが嫌がるような事、したのかしら……


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