ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
「いらっしゃいませ。眼鏡をお求めですか?」


 店員さんらしい眼鏡を掛けたおじさんは、営業スマイルを顔に浮かべ私に話し掛けて来た。



「そうなの」


「よろしかったら、お嬢様にお似合いの素敵な眼鏡をお選びしましょうか?」


「結構です。素敵な眼鏡を探してるんじゃないので」


「はあ?」


 首を傾げる店員のおじさんは放っておいて、私は黒縁の眼鏡を探した。でも、すぐには見つからなかった。縁がなかったり、あってもシルバー系の細いものだったり……。それに、値段が高い。眼鏡って結構高いんだなあ。


「これなんかいかがですか? 大変上品でお嬢様にピッタリだと思いますよ?」


 私が困っていると、店員のおじさんがショーケースの中の縁の細いお洒落な眼鏡を指差し、そう言った。


「だから、私が探してるのはこういうのじゃないの。縁が黒くて、ダサイのはないの?」


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