密なカラダにくちづけて。
ドクン―

と、心臓が波打った。


英介君は、今の状況を楽しんでる?


大体、その雑誌。

『見せたい物』と言うよりは
『渡したい物』と言わない?


アタシの気にしすぎ?


「はるか、英介の分もご飯用意出来そうか?」

雑誌を片手に啓介が聞く。

「えっ、あっ…うん。大丈夫…」

アタシが答えると

「英介、飯食ってけよ。」

啓介が英介君の肩を叩いた。


「いいの?じゃあ、遠慮なく。」


英介君の言葉に


遠慮してほしい。と すぐさま思った。


だけど、言えるわけもなく

「もうすぐ出来るから待ってね。」

作り笑顔を見せる。
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