密なカラダにくちづけて。
出勤初日。


私の教育係をしてくれる先輩事務員の女性と、一通り会社内を歩いてから仕事内容を教えてもらって時間があっと言うに過ぎた。

「辰田さんが二人いてややこしくなるから、はるかちゃんって呼んでもいい?」

私は、頷く。

「はるかちゃん、英介さんが義理の弟なのよね?」

「はい。そうですよ。」

「英介さん、社内の女の子にも凄い人気あるのよ。」

「そうなんですか。あ~、でも昔からモテたみたいですよ。」

他愛もない会話。

心のどこかで、やっぱりね。とこんな会話が来るとは思っていた。
< 122 / 179 >

この作品をシェア

pagetop