密なカラダにくちづけて。
子供達を幼稚園のバスへと乗せ見送ると 私一人の時間。
シーンと静まり返った家の中、 私の心がザワつく。

このザワつきを鎮めたい。

私は、携帯を手にすると康宏のアドレスを開いた。

《予定変更で、今日は会えないの?》

メールを作って、送信… せずに削除。
康宏で、このザワつきは収まらない。

携帯を閉じて 気分転換に散歩にでも行こう。 そう思い付いた。

そうだ。

前から欲しかった帽子でも買いに行こうかな。

私は、冷蔵庫の中に隠してるヘソクリを取り出し財布にしまうと 着替えて化粧して家を後にする。

一人でいるから余計に考えてしまう。

欲しかった物でも買えば、気が紛れそうな気がした。
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