密なカラダにくちづけて。
英介君は、左手首を差して

「腕時計。アレがないと仕事がはかどらないんだ。だから、お願い。」

ニコリと笑う。

ホントは、イヤだけど…。

「そうなんだ…。じゃあ、仕方ないよね。」

そう言って、私は家へ引き返す事にした。

ただ、腕時計をつけたいだけ。 他は何も、ない。
深い意味も。
そう思いながら足を進めた。
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