密なカラダにくちづけて。
そしたら、

「慰謝料として、これだけ、はるかちゃんの好きに使っていいから どうか離婚だけはしないでやってくれないか。」

啓介の父親が私にお金を差し出した。

その額、200万。

お義父さんは、役所勤めでお義母さんは、看護師として働いてるから お金を持ってる事は前から知ってたけど 別れさせない為にポンとこんな大金出すって なんぼ甘やかしてんのよ。

いい大人に対して。

これじゃあ、啓介は子供のまま大人になんかなれないんじゃない? バカバカしくなった。 啓介に対しても啓介の親に対しても。

でも、目の前に差し出されてるお金によろめいたのは事実。

だから、私は条件を出す事にした。
< 57 / 179 >

この作品をシェア

pagetop