密なカラダにくちづけて。
準備が終わって康宏が清算を済ませてから二人並んでホテルを後にして、少しだけ歩いた所で

「はるかちゃん?」

私を呼ぶ声に、心臓が飛び上がった。

誰!?

恐る恐る、声をした方を見る。

そこにいたのは、ダンナの弟…。英介君。

…が、女の人と腕を組んで立っている。


―――私は、何も言わなかった。と言うより言えなかった。言い訳出来る状況ではない。

これは、ダンナにバレる?

名前を呼ばれた時は、ドキッとしてバレるかもしれないと思ったが、冷静に栄介君を見る。



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