あの頃、テレフォンボックスで
ケイタと私が一緒にいることが不自然。


ケイタとメル友だということが不自然。
ケイタと会うことが。



ケイタが私を好きだと言ったことも


不自然。



学校の中に、
ケイタの周りに、
あなたの人生に・・・・

私がいるのはおかしい。




「火曜日、5時ごろ
いつもの店に行くから、
遅れても、待ってて。」



私の気持ちなどおかまいなしに
ケイタはそう言って
校門に向かって駆けていった。




いつもの店。
さびれた駅ビルの、あの喫茶店。

「銀の鈴」



行かない。


いいえ、行って言わなくちゃ。


もう、やめましょうって。
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